
闇を引き連れて光の中を生きていく、と言った人がいた。
長年パニック障害とともに生きてきた人の言葉でした。
とても心の強い人なのだなと、とても印象に残っている。
確かに、人生は様々な闇を引き連れて、光の中を生きてゆくようなものなのかも知れない。
その言葉を反芻して、苦しさとともに光の中を生きてゆこう、と思っていた。
でも思うように行かなくて、挫けてしまうたび、そんな自分を責めてしまう。
ある時ふと、私はそこまで強くなれない、私の心はそこまで強くはない、と思った。
私にとって、この闇というのは何なのだろうか。
若い頃に発症してから、長年パニック障害とともに生きてきた。
前半は、どうにかして普通に戻りたい、元に戻りたい、治りたい。
ひたすらそればかり考え、あらゆることを試した。
だんだん、パニックになる自分は、もともと自分の中にあった私の一部なのだな…と思うようになった。
不安になる私、心細くて怖くなってしまう私、何かの拍子に、それが表面に出てきて、不安で怖くて、心と体全てが暴れ出す。
それは、ある日突然どこかから現れた病気ではなくて、ずっと私の中にいた一部が、限界を迎えて表面化した私自身。
だから完全にいなくなることはなくて、今も時折顔を出すけれど、そんな私と一緒にいて、仲良くうまく付き合ってゆく。
宥めたり、共感したり、抱きしめたり。
強く生きてゆく人もいるし、そこまで強くなれない人もいる。
でも、私もみんなもそれぞれに、自身と向き合って、手を繋いでともに生きてゆければいいな、と思います。